公開日：2024/01/21

離婚調停を乗り切る！調書の書き方と参考例文

離婚は人生の大きな転機であり、そのプロセスは複雑で心理的にも負担が大きいものです。

特に家庭裁判所での調停を経て離婚する場合、調書の作成は非常に重要なステップとなります。

この記事では、離婚調停の調書がどのようなものか、そしてその書き方について詳しく解説しています。

離婚調停の調書作成に必要な知識と、具体的な例文を提供します。

離婚調停の調書とは？

離婚調停の調書とは、離婚に関する調停が家庭裁判所で行われた際に作成される公式文書です。

この調書は、離婚をする夫婦間での合意内容を正式に記録したもので、調停の成立を証明する重要な書類となります。

離婚が調停によって成立した場合、この調書は後日のトラブルを防ぐための証拠としても機能します。

また、離婚条件の履行を確実にするための法的な基盤となるため、離婚後もその内容を遵守することが求められます。

様々なシーン別の例文

離婚原因の明確化

配慮点:

感情的な言葉遣いや主観的な表現を避ける。
事実に基づく客観的な記述を心掛ける。
法律的な適切性を考慮し、個人のプライバシーを尊重する。

調書記載事項:

離婚の原因: 本件離婚の原因は、結婚生活における双方の価値観の相違にあります。具体的には、子育て方針や家庭内の役割分拥に関する考え方において、根本的な違いが明らかになりました。

経緯: 当事者間では、上記の相違について数回にわたる話し合いが行われましたが、解決に至る共通の見解を得ることはできませんでした。その結果、双方が離婚を選択するに至った経緯があります。

同意の有無: 両者は上記の事由について、離婚に至る経緯と原因に関して互いに同意しており、これに基づいて離婚することに合意しています。

子供の親権についての記述

配慮点:

子供の最善の利益を優先する。
子供の現在の生活状況、感情、ニーズに配慮する。
親としての自身の能力や状況を正直に、具体的に述べる。
感情的な言葉遣いを避け、事実に基づいた客観的な記述を行う。

調書記載事項:

子供の現在の生活状況: 私たちの子供は現在小学校3年生で、地域の学校に通っています。彼は学校生活において良好な友人関係を築いており、学業成績も安定しています。週末は地域のサッカークラブに参加し、積極的に活動しています。

親権の決定における考慮点: 私はフルタイムで働いており、職場は子供の学校から近い位置にあります。このため、平日の学校の送迎や緊急時の対応が可能です。また、私の職場は子育て支援の制度が整っており、子供の学校行事などに参加する際には、柔軟に時間を取ることができます。

子供の利益を最優先: 子供の安定した生活環境、教育の継続、社会的な交流の維持を最優先に考え、私が親権を持つことが、子供の利益にとって最善であると考えます。また、子供が父親とも定期的に交流できるよう、適切な面会交流の計画を立てることが重要であると認識しています。

養育費の取り決め

配慮点:

子供の養育に必要な費用の詳細を明確にする。
両親の経済状況を公平に考慮し、実現可能な養育費の額を設定する。
支払い方法と期間について具体的かつ明確な記載をする。
両親の協力と責任を重視し、子供の福祉を最優先に考える。

調書記載事項:

養育費の額: 本件において、子供の養育に必要な月額の養育費を50,000円とすることに双方が合意しました。この金額は、子供の教育費、食費、衣類費、医療費、および余暇活動にかかる費用を考慮した額です。

経済状況の考慮: 当事者双方の現在の経済状況を考慮し、上記の養育費は双方にとって支払い可能な範囲内で設定されました。私はフルタイムの職に就いており、安定した収入があります。一方、元配偶者も定職に就いており、収入があります。

支払い方法と期間: 養育費は毎月の初めに、私から元配偶者の指定する銀行口座に直接振り込む形で支払われます。この支払いは、子供が18歳になるまで、または高校卒業まで継続されることとします。

慰謝料の合意内容

配慮点:

慰謝料の金額を設定する際、合理的かつ公平な根拠に基づくこと。
支払い方法は双方にとって実行可能で明確なものであること。
慰謝料の支払い根拠となる事実を具体的に記述し、感情的な要素を排除する。
法的な適切性を考慮し、双方の合意に基づく内容を記載する。

調書記載事項:

慰謝料の額: 本件において、慰謝料として一律300,000円を支払うことに双方が合意しました。この金額は、結婚生活中の感情的苦痛と経済的負担を考慮し、双方が合意に至った額です。

支払いの根拠: 慰謝料の支払いは、離婚に至った経緯と双方の精神的な負担に鑑み、設定されました。特に、結婚生活の破綻に至った具体的な事実、双方の感情的な影響、及び今後の生活再建に必要な経済的支援を考慮しています。

支払い方法: 慰謝料の支払いは一括で行われ、支払い期限は離婚成立日から3ヶ月以内とします。支払いは、私から元配偶者の指定する銀行口座に直接振り込む形で行います。